一人事務として働き始めてみて、意外だったのは「一人だから大変」よりも「一人だから楽しい」と感じる場面が多かったことです。
自分で仕事を進めることができて、やりやすいようにやり方を考え、決めていける。
その自由さが、私にはとても心地よく感じられました。
先輩がいる環境だと、一つ一つ決まったルールを覚えて行く必要があります。
それは安心でもある一方で、覚えることが多くて、少し息苦しく感じることもありました。
今の職場では、「覚える」というより、考えながら、試しながら進めていく感覚があります。
そのやり方が、私には合っていて、素直に「楽しい」と思えました。
ちさ
総務・人事・事務の経験あり
現在は中小企業で、はじめての事務として働いています。
一人事務として見えた「未完成な部分」
一人事務として入社して、最初に感じたのは「整っていないところが、思っていたよりも多い」ということでした。
マニュアルがあるわけでもなく、業務の流れが明確に決まっているわけでもない。
でもそれは、困るというよりも「これから作っていける余白がある」という印象でした。
未完成な部分が見えるからこそ、
「ここをこうしたら、もう少しやりやすくなりそう」
「ここをわかりやすくしたら、もっとお客さんにも喜んでもらえそう」
と、改善のアイディアが次々と浮かんできます。
どうしたら会社がもっと伸びるのか、そんなことを考えていたら、自然とワクワクしてきて、業務をこなすだけでなく、会社を大きくする夢に、少し参加させてもらっているようなそんな気持ちにさえなりました。
誰かが決めたやり方を覚えるより、自分で考えながら形にしていけること。
思ったことをすぐに社長に相談し、OKが出たら進めることができる。
これまでの経験にはなかった距離感の近さ。
その感覚が、一人事務として働く中での楽しさに繋がっているように感じました。
自分の手で変えられそうだと感じた瞬間
未完成な部分が見えてくると、次に浮かんできたのは「これなら、自分でも何かできるかもしれない」という感覚でした。
特別なスキルがあるわけではないし、入社したばかりで会社のことをすべて理解しているわけでもありません。
それでも、事務として日々のやりとりや流れを見ていると、「ここを少し整えるだけで、もっとお客様の満足度が上がりそうだな」と感じる場面がいくつもありました。
それは、大きな改革というより、ほんの小さな改善です。
問い合わせの対応の仕方であったり、
ホームページの見せ方だったり。
「完璧にしなくてもいいから、今より少し良くする」
そんな関わり方ができそうだと思えたことが、私にとっては大きかったです。
自分の手で変えたことが、お客様からの反応や、売り上げとして目に見えた反応としてかえってくるかもしれない。
そう思えたとき、不安よりも「やってみたい」という気持ちが自分の中で少しずつ膨らんでいきました。
パートの意見も、ちゃんと聞いてもらえた
入社してしばらくたった頃、社長から
「一人でやっていると、相談相手がいなくて。来てくれて助かるよ」
と言われたことがありました。
その言葉を聞いたとき、正直、少し驚きました。
パートとして入った自分の存在が、ただ業務をこなす人ではなく、一緒に考える相手として見てもらえているように感じたからです。
社長は、
「これを見てどう思った?」
「こういうことをやってみたいと思っているんだけど、アイディアがあれば聞かせてほしい」とよく声をかけてくれました。
私はWordPressでブログを書いた経験があると知ると、
「もう少し詳しく教えてほしい」と
知識や経験についても丁寧に聞いてくれました。
社長という立場でありながら、
どこか腰が低くて、
私の意見を頭ごなしに否定することはありません。
いいアイディアだと思ったら、素直に褒めてくれる。
そんな姿勢に触れるたび、
「力になりたい」「自分が持っているアイディアや知識を、ちゃんと出したい」
と思うようになりました。
採用するかどうかを決めるのは社長ですが、意見をだすこと自体を否定されることは一度もありません。
違う考えに対しても、まずは受け止めたうえで話をしてくれる。
従業員でありながら、同じ目線に立って接してもらえているような感じがあり、それがとても話しやすかったのです。
だからこそ、「こんなこと言ってもいいのかな」とブレーキをかけずに、思ったことをそのまま言葉にすることができました。
パートだから、一人事務だから、意見を控えた方がいい。
そんなふうに思わずにいられたことは、働くうえで大きな安心感につながっていました。
否定されないから、意見を出すのが怖くなかった
意見を出すことが怖くならなかった一番の理由は、
否定される前提で話を聞かれることがなかったからだと思います。
「それは違う」
「今まではそうしてないから」
そんな言葉で遮られることはなく、
まずは
「なるほど」
「そういう考え方もあるね」
と受け止めてもらえました。
だから、完璧に整理できていない段階のアイディアでも、
「こんなことを考えていて…」と途中のまま話すことができました。
中には、「それ、やってみたいね」と言ってもらい、実際に少しずつ動き始めたアイディアもあります。
大きな会社だったら、ここまで進めるために、資料を作ったり、説明の順番を考えたり、会議で指摘されることを想像したりして、きっと躊躇していたと思います。
そもそも、意見を言い出すこと自体が難しかったかもしれません。
でも今は、社長と一対一で話ができる。
相手は否定せず聞いてくれるとわかっている。
だからこそ、意見を出すこと自体が怖くありませんでした。
「うまくいくかどうか」よりも「まず伝えてみよう」
そう思える環境だったことが、一人事務として働く中での大きな支えとなっていました。
大きな会社との違いを感じたこと
これまでの経験を振り返ると、大きな会社で働いていたときは、何かを変えようとするたびにいくつもの段階を踏む必要がありました。
資料を用意して、
説明の順番を考えて、
会議で指摘されることを想像して・・・。
その準備だけで気力を使ってしまい、「そこまでして言わなくてもいいか」と定例会議でも挑戦することなく、ルーティンとして伝えるべきことを淡々と伝えるだけになっていたと思います。
決してそれが悪いわけでなく、人数が多い組織では必要なプロセスなのだと思います。
ただ私にとっては、その距離感や大勢の前で伝えること、厳しい指摘が入ることがプレッシャーに感じられる場面もありました。
今の職場では、社長と一対一で話ができる。
思いついたことを、その場で伝えることができる。そして、「それならやってみよう」と、すぐに動き出せる。
この違いは、とても大きいと感じています。
準備に時間をかける前に、まずは試してみる。
うまくいかなければ、また考え直せばいい。
そんな進め方ができる環境だからこそ、一人事務としての裁量の大きさを、前向きに受け止めることができました。
裁量があるって、こんなに楽しい
一人事務として働いてみて、「裁量がある」ということは、ただ自由に決められるという意味ではないと感じました。
考えたことを伝えて、それに対する反応があり、実際に動いてみる。
その結果が、少しずつ形になっていく。
その一連の流れに関われることが、思っていた以上に楽しかったのです。
パートという立場でも、意見を聞いてもらえて、任せてもらえる。
「やってみよう」と言ってもらえる。
それは、責任が増えるというよりも、信頼されている感覚に近く、
「もっとちゃんと向き合いたい」
「もう少し頑張ってみたい」
という気持ちに繋がっていきました。
もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。
考えが足りなかったと感じることもありますし、
やってみて初めて気づくこともあります。
それでも、話し合いながら、少しずつ整えていける。
その過程を一緒に進められることが、今の私にとっては、何よりのやりがいになっています。
一人事務だからこそ、裁量がある。
そして、その裁量が、仕事を「楽しい」と感じさせてくれている。
今は、そう実感しています。
まとめ
一人事務として働く中で、裁量があることの楽しさを、少しずつ実感するようになりました。
未完成な環境だからこそ、考え、伝え、試してみることができる。
自分の考えを受け入れ、力を発揮できる場があることが、何よりもうれしく感じています。
思いついたことを、すぐに職場に活かせる。
そのスピード感もまた、一人事務ならではの楽しさです。
その積み重ねが、仕事への前向きな気持ちに繋がっています
これからも、一人事務として感じたことや、整えていく過程を、ひとつずつ記録していこうと思います。

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